遺言は金持ちのものだけではない

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遺言とは

遺言にもいろいろあります。「兄弟仲よく力を合わせて頑張ってほしい」「お母さんをよろしく頼む」というのも遺言です。このような遺言に反することをしても、道義的に責められることはあっても法律上の罰則があるわけではありません。

財産分与についての遺言は法的な拘束力があります。

遺言の種類

遺言の方式は特別方式と普通方式の2つがあり、さらに、特別方式は4つに、普通方式は3つに分けられます。

特別方式は、死に瀕してる場合など、特定の場合に限って行うことができる例外的な遺言です。死亡危急者の遺言・伝染病隔離者の遺言・在船者の遺言・船舶遭難者の遺言があります。

それぞれやり方が決められており、例えば死亡危急者の場合は、証人3人以上の立ち合いが必要で、口頭で述べた遺言を証人が筆記して署名捺印します。

一般的な遺言である普通方式には、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言があります。

自筆証書遺言

自筆証書遺言は、最も一般的な遺言です。全文を自分で書く、日付を自分で書く、氏名を自分で書く、押印するの四つの要件があります。

要は自分で書けばよいのですから、手軽に作成できます。ただし、一つでも要件が欠けていれば無効になります。また、自筆証書遺言は、死後に家庭裁判所の検認の手続きが必要になります。

自筆証書遺言について

公正証書遺言

遺言者が遺言の内容を公証人の前で話し、それを公証人が公正証書として作成するものです。専門家が作成してくれて保管もしてくれるので確実で安全です。

また、家庭裁判所の検認の手続きが必要ないので、すぐに登記等の手続きができます。作成には若干の費用がかかり、証人2人以上が必要となります。

公正証書遺言について

秘密証書遺言

公正証書遺言の一つですが、遺言者が遺言書を作成し、押印、封印して公証人に提出し、遺言者の遺言書であることを確認してもらうものです。

作成には若干の費用がかかり、証人2人以上が必要となります。秘密証書遺言の場合は公証人が保管しないので、家庭裁判所の検認が必要です。

秘密証書遺言について

遺言についてのいろいろ

遺言があるとないとでどう違うか

遺言は義務ではありません。ですから、遺言を残さない人の方が多いと思われます。

遺言がないと、遺産は、法定相続分か、相続人どうしの遺産分割協議によって分配されます。正規の遺言書があれば遺産分割協議はいりません。

法定相続人と法定相続分

遺産分割協議について

遺産の配分を自分で決めたい場合は遺言書を残さなければなりません。遺言書の力は、法定相続分や遺産分割協議を上回ります。

特に、次のような場合は遺言が必要です。

□ 認知をしていない子がいる場合(生前にできることですが遺言でもできます)
□ 親不孝な子に遺産を相続させたくない場合(同上)
□ 特定の人に、遺産の全部、または多く相続させたい場合

遺言書を残した方がよい場合

遺言執行者を指名した方がよい

遺言で遺言執行者を指名することができます。

子の認知と相続排除の場合は、必ず遺言執行者を指名しなければなりません。

その他の場合でも、遺言執行者が指定されていれば、預金の解約、相続した不動産の登記などの手続きが簡便になります。

せっかく遺言するなら遺言執行者を指定しよう

遺言すれば相続人以外にも財産を分けることができます

遺言によって、法定相続人以外の人に財産を与えることを遺贈と言います。遺贈をすることで、他人に財産を残すことが可能です。

相続人以外の人には遺言で遺贈する

無効にならないように注意する

せっかく遺言書を作成しても、要件を満たしていなければ無効になってしまいます。

無効になってしまう遺言書

遺留分に注意する

遺言で配分を指示しても、「遺留分」といって、相続人のために最低限残しておかなければならない一定の割合があります。

自分の財産だからと言って全部を自由に処分することはできません。遺言者がこの遺留分を無視し遺言書を作っても、遺留分の権利を持つ者は遺留分を請求することができます。

遺留分について

認知が衰えているときの遺言

遺言能力とは、文字通り、遺言ができる能力のことです。せっかく遺言があっても、遺言能力がない者がした遺言は無効になります。

遺言能力が問題になることがある

遺言書の保管について

せっかく遺言書を書いても、遺族が発見できなければ遺言の意味がありません。また、遺族が遺言書を発見したときに、所定の手続きをふまずに開封してしまえばいろいろと問題が生じます。

遺言書の保管と検認について