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遺族年金の受給者

遺族基礎年金の受給者

死亡した者によって生計を維持されていた、
(1)子のある配偶者
(2)子
が遺族基礎年金を受給できます。

子とは次の者に限ります

18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子
20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子

遺族厚生年金の受給者

厚生年金保険法は、「被保険者又は被保険者であった者が死亡した場合等に、その者の遺族に」遺族厚生年金を支給すると定めています。

遺族というのは、「被保険者等の配偶者等であって、被保険者等の死亡の当時、その者によって生計を維持したもの」です。

妻が第一順位です。

内縁の妻が遺族年金を受け取れる場合

法律上の妻がいる場合には、内縁の妻が遺族年金を受け取るのは大変困難です。

ただし、受け取ることができる場合があります。

法律婚の方が破たん状態になっていること、

そして、内縁関係の方が事実上の婚姻関係だと認められることです。

法律婚が破たん状態のとき

1.当事者が離婚の合意に基づいて夫婦としての共同生活を廃止していると認められるが戸籍上離婚の届出をしていないとき

2.一方の悪意の遺棄によって夫婦としての共同生活が行われていない場合であって、その状態が長期間(おおむね10年程度以上)継続し、当事者双方の生活関係がそのまま固定していると認められるとき

上記の1または2に当てはまれば、届出による婚姻関係がその実体を全く失っているとされます。

共同生活の状態にないとは

共同生活の状態にないとは次に当てはまる場合です。

離婚合意はしていないが、別居して10年以上経過しており、
① 別居中
② 経済的援助(生活費の仕送り)をしていない
③ 音信又は訪問もない

お金を少しでも渡していたり、時折訪問しているという関係が認められれば、破たんしていると認められない可能性がでてきます。

内縁関係が事実婚であるとき

遺族厚生年金の対象者である配偶者は、必ずしも法律上の配偶者に限られていません。

配偶者には、婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含むものとする」という定めています。

つまり、内縁関係でも遺族年金を受け取れる可能性はあるのです。

条件があります。

・事実婚関係であるといえるか
・生計同一関係であるといえるか

について、

日本年金機構が審査して決めるのです。

その審査に対しては、事実を証拠立てる書類を提出する必要があります。

事実婚関係とは

事実婚関係というのは、実質的に夫婦である関係ということです。

・健康保険の被扶養者になっていた
・給与に扶養手当が加算されており、その対象になっていた
・挙式、披露宴等が行われている
・葬儀の喪主になった
などです。

生計同一関係とは

生計同一関係については、

・住民票上同一世帯に属しているとき
・住民票上世帯を異にしているが、住所が住民票上同一であるとき
・住所が住民票上異なっているが、現に起居を共にしている

別居であれば、別居に止むを得ない事情があると認められること

生活費や療養費等の経済的な援助が行われていること、定期的に音信、訪問が行われていること

などです。

裁判例

裁判例としては、別府市の女性が内縁関係にあった男性の遺族年金を受給できないのは違法として、国を相手に不支給処分の取り消しを求めたことがあります。一審では棄却されました。

女性は、
1.「愛情を誓い共同生活を約束した男性署名の契約証」がある。
2.旅行など公の場にも同伴して夫婦として扱われていた。と主張したのですが、
判決は、男性が戸籍上の妻と積極的に離婚しようとする意図があったとは言い難く、原告は配偶者に該当しないとの理由で訴えを退けたようです。

う~ん。新聞で読んだだけなので細かい事情は分かりませんが、一筆書いてもらっていてもダメですか。と思ったものです。

また、長野の裁判ですが、妻との間は別居状態で夫婦関係は形骸化していたとして、「女性との関係は相当程度安定しており、配偶者に当たると認めるのが相当だ」と判断したものがあります。日本年金機構は不支給と決定したのですが、裁判所から認められたものです。

結論としては、一概には言えませんが、本妻との関係が破たんしていて、内縁の方と一緒に夫婦のように暮らしていた、など、実質的にどうかということになるようです。

遺族年金は、半分ずつ分けるというわけにはいかず、支給決定された方が全部受け取ります。証拠の揃え方で違ってくるようですから、事前準備がとても重要です。