定年後に起業する人が注意するべきこと

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今の環境を利用することを考える

地の利は日本中にある

日本は、どこに住んでもよい、どういう仕事をしてもよい自由な国です。電気や水道などの基本的なインフラ、鉄道や道路などの交通機関が整っています。

どこに行ってもインターネットに接続できます。田舎でも、車で1時間も走ればそれなりの都会にたどり着きます。

ですから、年寄りであってもビジネスを始める壁はそんなに高くありません。

年金がある高齢者は強い

定年起業には大きな利点があります。年金がもらえることです。ベーシックインカムが適用されているようなもので、事業の収入がどうあれ、定期的にお金が振り込まれてきます。

老齢厚生年金を受給できる人であれば、食べていく分のお金は保証されている状態で事業ができるのです。若い人からみれば夢のようなメリットです。

自宅や自分の土地があれば利用する

店舗や事務所を借りるのは避けるべきです。新たな家賃を払わないことです。自分の今住んでいるところでやるのが一番です。狭いとか不便だとか言わず、なんとか、今の住まいでできる仕事を考えるべきです。

働ける期間が限られていることを自覚する

ただし、余命、特に健康寿命はさほど残っていません。そういう現実も踏まえなければなりません。

個人差はありますが、加齢による衰えは避けることができません。どのような仕事をするにしても、80歳を過ぎてもやっていけることは滅多にないと思います。

そうすると、60歳で起業した人は、どんなに長くても20年、普通は15年やれれば御の字です。つまり、定年後に起業する人は、数年で軌道にのせて、10年もやったら引き際を考えなければならない時期に入るということです。

とすれば、自分や配偶者が衰えて(どちらかが病気をする可能性は高いです)きたときにどのように始末をつけるか、起業の段階で考えておかなければなりません。事業の後始末も含めた遺言書を残しておくことも責任の一つです。

後始末は配偶者か子供があたるのが一般的ですが、そうした親族がいなければ、だれか後始末を頼める人を探す必要があります。年齢からすればいつポックリ逝ってもおかしくないのですから。

遺言について

堅実経営を心掛ける

危ない橋を渡らずにコツコツとやることが長続きします。

資金は手持ちの範囲で

まず、初期資金が少なくて済むものを選ぶことです。借金をするなんてもってのほかです。

定年後に新たに借金を背負うのは無謀ですから、借金をしないで自己資金でスタートすることが前提です。その自己資金投入資額に、これ以上は出さないという防衛線を設定しましょう。

定年後の起業は、蓄えを減らさないのが第一目標、少し余禄が入ったら御の字です。

人を雇わない仕事がよい

次に、人を雇わないことです。本来ビジネスというものは、雇用して人の力を借りて成長し、給料を払うことで経済循環を生み出していくのですが、そうすると、費用もかかり、責任も大きくなります。第二の人生だと考えれば、そこまで無理をするかどうか、思案が必要です。

定年後の起業は、蓄えを減らさないのが第一目標、少し余禄が入ったら御の字。一定のお金が必ず必要だという事情があれば、それを起業で手に入れようというのは無謀です。

税理士を使う

経理はそんなに難しいものではありませんが、経理をやることが起業の目的ではないでしょう。本業以外のことに気を取られていては商売に差し支えます。日々の記帳や月次決算は自分でやったとしても、税金にはいろいろな選択肢があって素人には分かりにくいことが多いので決算と確定申告はプロの手を借りた方が安心です。

撤退のタイミング

お金に余裕があって、かつ、お金儲け以外の目的でやっているなら話は別ですが、晩節を汚さないために、こうなったら撤退するというラインを決めておきましょう。無理して続けると、やめたくても借金があるのでやめられない、やめるときは借金を返さなくてはならないという状態に陥いります。

赤字が続いたら見切り

若い時の起業であれば、5年辛抱できれば続くといわれますが、定年後では健康寿命の余命が少ないのですから、長期戦はしない方がよいでしょう。初年度はともかく、2年目からは単月黒字が出せるようでなければ撤退したほうがよいでしょう。

起業する分野は

自分が強い分野にする

どんな商売が良いかは、人それぞれですが、自分が今持っている資格や技術、経験に基づくものが安全です。

何か資格があれば資格を生かした商売をすることが考えられます。

そろばんでもパソコンでも英語でも、何か人に教える程度のスキルがあれば、塾を開くことができます。

土地を持っていたり、安価で借りれる畑が近所にあれば、野菜の栽培をすることができます。

士業は飽和状態のようです

〇〇士という資格をとって(以前とってあった資格を生かして)開業する人も多いようです。しかし、〇〇士の世界は、同業者が増えて市場が狭くなってきているのが実情です。また、どうしても若いころからその業界にいて実績を積み重ねてきた人が、少ないパイをしっかりと握っています。高年齢になってから新人として参入するのは容易ではありません。

飲食店は利益をだそうとすると難しい

中高年の新規開業として目に付くのが蕎麦屋やラーメン屋です。そば打ちは、一生懸命やれば数か月でプロとそん色のない打ち方に達するようです。しかし、オープンしてもあまり続かないことが多いようです。街を歩けば蕎麦屋やラーメン屋のないところはありません。同業者が多すぎて、(常連の)お客を得ることがとても難しいからです。

高齢者が陥りやすいところに注意

自分の力を過信すると危険

一般的には知らない分野については素人ですから、玄人の先行者がいる世界に入って簡単に勝てるはずがありません。自分が深く経験した分野であれば、どこをどういうレベルにすれば負けないか見えているはずです。経験した分野が戦いやすいはずです。

気をつけなければならないのは、自分では自分の実力でやったと思っていても、他人の目には会社の「看板」で仕事をしていたに過ぎないと思われていた場合です。会社の看板に関係なく個人の実力を認められる人もいます。いずれにしても、会社の看板と自分の実力を冷静に判断しなければなりません。

うまい話には気をつける

知らない人からの注文には気をつけなければなりません。通常の取引を装って取り込みなどの詐欺的商法が混じっている可能性があるからです。

とは言っても知らない人からの商談を全部シャットアウトしていては商売になりません。やらないということではなく、気をつけるということです。即答は絶対にしないこと、知人に聞く、ネットで調べる、大手興信所の信用調査を利用する(企業の概要程度ならそんなにお金はかかりません)などして、慎重に取引を開始するべきです。

知人からの紹介であっても慎重を要することは同じです。知人だからといって、あなたの利益を優先して考えているわけではないし、まして、商売の損失をかぶってくれるわけではありません。事業は自己責任の世界です。

うまい話に飛びついても、運がよければうまく進むことがあります。しかし、運は何度もくるわけではありません。人を疑わずに仕事をしている人は、いずれ転覆してしまうでしょう。

見栄を張らない

人を感心させることを目的にしてはいけません。店舗や事務所にかけるカネがあれば、仕入れや広告にカネをかけるべきです。店舗や事務所がボロでも良いものを商っていればいずれ客はついてきます。

肩書やオフィスが見劣りすると気になって仕方ない人は、事業に向いていないと思います。