カテゴリー
定年

老齢年金の繰り上げ支給とは

トップページ年金制度のポイント老齢年金について>このページ

老齢年金を60歳からもらうこともできます

年金の繰り上げ支給ってどういうこと?

もうすぐ60歳の奥さんと、年金に詳しい友人との会話です。

「わたくし、60歳になれば年金がもらえるのよね。」

「あなたはずっと専業主婦だったよね。そうすると基礎年金だけだから65歳からよ。」

「でも、60歳から受け取っているってよ、裏の田中さんは。」

「う〜ん、あの方はまだ60歳とちょっとよね。きっと繰上げ支給を受けてるのね。60歳から受け取ることもできるの。少し減らされるんだけど。」

「それってどうすればいいの?」

「年金事務所に行って、繰上げ支給を受けたいって申し出るのよ。でも、減らされちゃうのよ、それでいい?」

繰上げすれば減額されて支給されます

「いくら減らされるの?」

「月当たり0.5%よ。60歳で受け取り始めるとすれば、5年早く、つまり60ヶ月早く受け取るわけだから、60掛ける0.5で、30%減るのよね。」

「65歳になれば、元に戻るの?」

「ううん、戻んないの。一生30%減額されたまま。」

「そっかあ、30%っておっきいよね。考えちゃうな〜。」

「でもね、縁起でもない話だけど、早死にすれば得になるのよ、長生きすれば損・・・・。」

「え〜、何それ。」

「つまりね、年金ってのは死んでしまえば終わりでしょ。」

「でも、わたしが先に死んだら旦那に遺族年金がでるんじゃない?」

「ううん、もうお子さんが大きいから旦那さんは遺族基礎年金はもらえない。あなたは会社勤めしなかったから老齢厚生年金もないし。」

「そっかあ、長生きしなきゃ損なんだ〜。」

「そうよ、特に65歳になる前に死んじゃったら丸損よね。」

「じゃ、減らされたって貰う方が勝ちじゃん。」

「ま、何歳まで生きるか誰もわからないからね。繰上げ支給の損益分岐点は76歳と言われているの。76歳以上の長生きをすれば受取総額は負けるんだって。」

「う〜ん、迷うなあ〜。でもね、76歳になってどういう状態になっているか分からな いけど、歳とるごとに体が不自由になるってことは確かよね。であれば、動ける若いうちに年金もらって、楽しく使った方が良いんじゃないかな〜。動けなくなってお金残したってね〜。」

「うんと迷ってね。この繰上げは何も一年単位でなくても良いからね。月に0.5だから、59ヶ月だったら、30%が29.5%になるのよ。判断を延ばせば年金が増えるのよね。」

「もう一つ、繰上げの反対に、受け取り開始を先に延ばせば、年金が増える仕組みもあるのよ。繰り下げっていうんだけど。」

「今日はありがとうね、旦那と相談してみる。」

支給額減以外のデメリット

老齢年金の繰り上げ受給のデメリットは、年金額が減額されるだけではありません。次のことも考えておきましょう。

障害年金がもらえない

病気やケガなどで障害の状態になって、生活や仕事に制限が出て、給付要件を満たすと障害年金を受給できる可能性があります。

ところが、老齢年金の繰り上げ受給をしてしまうと、繰上げ支給を始めてから65歳になるまでの間に病気やケガで障害の状態になっても、障害年金を受け取ることができなくなってしまいます。

寡婦年金がもらえない

国民年金に10年以上加入していた夫が、公的年金を何ももらわずに亡くなった時、婚姻関係(事実婚も対象)が10年以上あり、夫に生計を維持されていた妻は、60歳から65歳になるまで寡婦年金を受給できます。

これも、妻が繰り上げ受給をすると、寡婦年金はもらえなくなります。すでに寡婦年金をもらっている人は、支給が止まります。

遺族厚生年金が併給できない

老齢基礎年金を繰り上げ受給したあとで、生計維持関係にあった家族が亡くなり、遺族厚生年金をもらえる権利が発生しても、65歳までの間は、老齢基礎年金と遺族厚生年金の併給ができず、どちらか一方の選択になります。

65歳からは、自分の老齢厚生年金が全額支給されますが、遺族厚生年金は老齢厚生年金に相当する額が支給停止されます。

厚生労働省の社会保障審議会が減額率を0.4%に下げることを審議する予定です。(2019年10月)