Last Updated on 2021年2月11日 by かつや
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遺贈について
財産を相続できる人を相続人と言います。その範囲は民法で決まっています。妻や子どもは代表的な相続人です。
家族として生活していても、相続人でない人がいます。
代表的なケースは、子どもの配偶者です。
例えば長男の妻の場合は、長男が相続人ですが、その妻は相続人ではありません。
通常の場合はそれで特に問題ないのですが、
例
A子さんは夫に先立たれ自分の子どもはいません。夫が亡くなる前から夫の母親と同居して生活の面倒をみてきました。住んでいる家は義母の名義です。義母には離れたところに住んでいる実子がいます。
このようなケースでは、義母が亡くなれば、A子さんは義母から何も相続することができず、さらには住んでいる家から出なければならないことになります。
この場合の自分の面倒をみてくれているA子さんに義母が財産を残したいのであれば、いくつかの方法がありますが、その一つが遺言をすることです。
遺言で、相続人でない人に遺産を残すことを遺贈といいます。
遺言書には、たとえば「長男の妻〇〇〇〇に〇〇を遺贈する」という旨を記載します。この場合、公正証書遺言にすると遺言の不備を追及される心配がないので、遺言内容が実現する確率が高まります。
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遺贈する相手は、
親族だけとは限りません。親しい友人やお世話になった人などにも財産を与えられます。福祉団体やボランティア団体などへも財産を与えられます。
感謝の気持ちなどから自分の財産を分け与えたい人や団体がある場合には、周りに気持ちを伝えるだけではだめです。きちんと遺言によって遺贈する意思を明らかにしなければなりません。
別な方法
なお、相続人以外に財産を残す方法は、遺贈以外にもいくつかあります。
死因贈与
死因贈与という方法があります。これは生前に契約書を取り交わしておくものです。
養子縁組
養子縁組をして相続人にしてしまう方法もあります。相続において養子は実子と同じ権利を持ちます。
特別寄与
被相続人に対して療養看護するなどの貢献があった親族は、特別の寄与をしたということで、他の相続人に対して寄与に応じた金銭の支払いを請求できる「特別寄与料」という制度があります。ただし、特別寄与料の金額は現状ではあまり大きくは認められていないようです。
遺言については、素人判断をしないことが重要だと思います。遺言についての専門家は、司法書士、弁護士です。複雑なケースでは、少々お金がかかっても専門家の助力を得た方がよいでしょう。