親不孝な子供に財産を残したくない

Last Updated on 2021年2月19日 by かつや

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相続させたくない場合

親子や夫婦であっても、いろいろな事情から関係が悪くなり、ついには、あれだけには相続させたくないという気持ちに至ることがあります。

そうした場合にとれるいくつかの方法を解説します。

遺言により減らす方法

法律上は、関係が良い悪いに関わらず、法定相続人に入っていれば相続人になります。平等に分けたくない場合は遺言で差をつけることができます。

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遺言書に記載することで、良い関係を保っている相続人には多く与え、関係が良くない相続人には少なく与えるという方法をとることができます。ただし、その場合には、全部無しにすることはできず、遺留分という部分は残してやらなければなりません。

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相続人の廃除を行う

相続人の廃除とは

その遺留分もやりたくないという場合の選択肢が「相続人の廃除」です。これは相続人を相続人でなくするやりかたです。相続人の廃除が認められれば、相続権はもちろん遺留分も失います。

民法では「遺言を遺した人を虐待したか、重大な侮辱を行った相続人」または「著しい非行があった相続人」を廃除できると定めています。そして、これらの事実があるかどうかは客観的な証拠に基づいて家庭裁判所が審査します。

民法第892条 遺留分を有する推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者をいう。以下同じ。)が、被相続人に対して虐待をし、若しくはこれに重大な侮辱を加えたとき、又は推定相続人にその他の著しい非行があったときは、被相続人は、その推定相続人の廃除を家庭裁判所に請求することができる。

一般的には次のようなケースが該当します。

・精神的肉体的な虐待をした場合
・重大な侮辱を与えた場合
・被相続人の財産を勝手に処分した場合
・重大な犯罪行為行ない有罪判決を受けた場合
・上記に準じる著しい非行があった場合
・賭博などの借金を被相続人に払わせていたとき
・配偶者の場合は浮気などの不貞行為があったとき
・その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき

相続人の廃除のやり方

相続人の廃除をするには、遺言を用いて行う方法と生前に家庭裁判所に申し立てて行う方法があります。

遺言を用いて行う場合は、遺言書に「〇〇を相続人から廃除する」と記載しその理由を記載します。さらに、遺言執行者を選定します。

この場合、死亡後に、遺言執行者が廃除を指定された相続人を相続人から排除する手続きを家庭裁判所に対して行います。

生前に行う場合は、自身で家庭裁判所に廃除を申し立てることになります。

いずれにしても、相続人の廃除は簡単には認められません。弁護士司法書士等の専門家に相談し依頼する方が無難です。

相続欠落に該当する場合

相続欠落とは

相続人の廃除は被相続人の意志によって相続人の相続権を奪う制度ですが、関連して相続欠落について解説します。

相続欠格は、その人に財産を受け継がせることが社会正義に反すると思われる場合に、それを行った時点で自動的に相続権を失うという制度です。被相続人の意志は関係ありません。

民法第891条 次に掲げる者は、相続人となることができない。
一 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者
二 被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。
三 詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者
四 詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者
五 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者

相続に絡む殺人などに関係した人が対象になります。また、遺言書を偽造したり隠したり捨てたり、詐欺や強迫で遺言書を書かせた人もその対象になります。

認知症気味の親を誘導して自分に有利な遺言書を書かせたり、遺言書が見つかったときに安易な気持ちで隠したりすれば、最悪の場合、相続権そのものを失ってしまいます。

廃除も欠落も本人のみ

廃除や欠格の対象となるのはその対象となった本人のみであり、その子にまでは廃除や欠格の効力は及びません。

つまり、廃除や欠落が成立して相続権を失った人に子がいた場合は、その子が代襲相続人として、相続権を失った人の相続分を相続できます。遺留分の主張も可能です。